空が暗闇に染まっている。街中に灯りは少なく、視界を悪くしているが、それと同時に己を隠してくれているのだから文句は言えない。鞘から抜かれた刀身は、月明かりに照らされ美しい。切っ先は、浪人の首元に当てられ、それから伝う紅が地面に小さい血溜りを作っている。く、と声を漏らす浪人に対し、ふん、と馬鹿にしたように鼻を鳴らした。


「キミ達から絡んできたくせに、」


 弱いんだね、と冷たく吐き捨てる。ちら、と地に伏す(死んではいない)浪人の仲間を一瞥すると、もう一度目の前の浪人に目をやり、そして首に添えていた刀を鞘に納めて後ろの隊士達に処理を頼んだ。面白そうに歪んでいた口元は、不機嫌なものに変わり、ち、と舌打ちを漏らした。隊士は浪人達の処理のため、この場にはもう自分しか居ない。共に出たあいつらは、もう「あれ」の粛清を終えたのだろうか。二手に別れて探す、なんてするんじゃなかった、と今更ながらに後悔する。お陰で関係ない雑魚を相手する事になってしまった。


(胸糞悪い、なんてね・・・さっさと帰って寝よっと)


あいつらを探す、という考えも頭を過ぎったが、面倒だと打ち消す。くあ、と欠伸を噛み殺し、涙で潤んだ瞳に月を映す。あぁ、面倒臭い。





暗闇と白刃
クロとシロ





(090928 ごめんなさい、短過ぎました)